昔ながらののどかな風景が広がる奈良・明日香村で先日、草木染体験をしてきました。
現代は様々な化学薬品を使い染色しますが、古代、布の染色は草木染が主流でした。
今回は森林インストラクターの先生に教わり、出来るだけ古代に近づいた手法の草木染を体験してきました。
草木染は草木の葉、茎、根っこを煮出して作った染液を使って染色します。
より鮮やかな色を出すには新鮮な草木が用いられるとのことで、
私たちが訪れる時間に合わせて草木を採取し、用意されていました。
昔、布はとても貴重なもので、色が落ちても何度も繰り返し染め直し、
擦り切れるまで大切に使われていたそうです。
なんてサステナブル。
一通り説明を聞いた後は、ハンカチ選び。
水玉、菊柄、ストライプ、波模様など
100枚ほど用意されている木綿のハンカチから好きな地模様のハンカチを選びます。
どのような模様にするか決めたら、その模様に応じて畳み方を教わり、板切れで固定します。
建物の裏では、田園風景が広がり、並んだ鍋には草木が煮えています。
この日は8種類の染液が用意されており、その中から私は
・セイタカアワダチソウの葉・茎(レモン色)
・すももの木の皮(紫色)
・玉ねぎの皮(金茶色)
・茜の根っこ(茜色)
の4色を選び、亀甲柄に染色しました。
先ほどの畳んだハンカチを教わった通り煮立った鍋で色をつけていきます。
染めては洗い、また次の色に染めて洗いを繰り返します。
最後の水洗いの後、布を広げたときの感動に古代の人々への思いを馳せて、体験は終了。
古代の人々が、空に浮かぶ雲や虹など自然の美しさを一枚の布に模したいという思い、
縁起の良い亀甲柄や市松模様、竹や鱗紋などのパターン模様に染めるための折り方の工夫や知恵、
また自然のものから生まれる素朴で深い色合い、そのどれもがとても新鮮でした。(M)